会長あいさつ
この度、弊社はまもなく設立15年目を迎えるに当たりホームページを一新することに致しました。
初めに 本日は2012年3月11日です。
東北・関東大震災と福島第一原発事故から1年が経ちました。
改めて亡くなられた方に哀悼の意を表すと供に被災された全ての方に今後も一緒に復興に向けて頑張ることを誓います。
設立以来約15年間に亘り、 当社が継続出来ました事は、これまで一貫してご協力・ご支援頂きました販売先様、仕入先様、CMP委員会の皆様、官公庁のご支援並びに従業員とそのご家族の皆様のお陰で御座います。厚く御礼申し上げます。
さて、今後の弊社の進むべき方向を考える時に、どうしても福島第一原発事故の事から始めなければならないと思います。
ヒバク福島が何故起こったのかの報道の一つに、「原子力発電も半導体も日本に開示されていないブラックボックスがあり日本は理解していない技術をそのまま導入しているため、今回の様な想定以上の事象が発生した場合に対応出来ない。」との記事が有りました。
これから、我々が進むべき道を下記に定めます。
1.科学の本質の理解を深め、借り物ではなく応用の利く技術を身に付ける。
2.マニュアルや決まり事、思い込み、信念と言った事に疑問を持ったら、過去の事を踏襲せず、もう一度元に戻って良心で考え判断する。
次に、現在の日本半導体業界の事を考察して見なければなりません。
昨今、日本半導体の凋落は、円高・政府援助不足のためと耳にすることがありますが、大きな流れはそうではなく、既に20年以上前から、同じ製品が海外の方が安くできるようになった時に始まっていた筈です。20年前に台湾/新竹で見た光景は驚くものでした。半導体ガス、水、電気など全てのユーティリティーが国によりに予め埋設された工場団地にTSMC,UMC, TIエイサー、WINBOND 他の巨大な工場が立ち上がっていたものでした、それぞれの会社の決算は経常利益が20〜30%あり、既に日本の半導体メーカーの利益を金額で超えていました。この時に既にアメリカ・ヨーロッパの半導体技術の移転先は日本から台湾に変わっていたのです。
同じく20年前にUS の都市Phoenixで、近くのモトローラの半導体会社に勤務していたホテルの売店の店員に聞いた話ですが、「工場内では、いつも日本に負けるなとの放送が鳴り響いていた。」との事です。
現在の日本半導体業界は、30年前にアメリカ・ヨーロッパのDRAM工場を、日本の半導体メーカーが駆逐した歴史の再現が起こっているように思います。当時のアメリカ・ヨーロッパが現在の日本に、当時の日本が現在の台湾・韓国・中国に変わっただけ、という見方が正しいのではないでしょうか。
さらに、今年3月初めに発表されたエルピーダメモリーの会社更生法申請が意味することは、日本半導体の世界での敗退を意味するとだけ見るべきではなく、アメリカがDRAMで日本に負けた時に、自らは、DRAMを捨てCPUメーカーに変身を遂げ、またDRAMは台湾のメーカーに技術を持ち込み生産の委託に切り替えた様に、日本半導体も従来の「wafer size の拡大,微細化の推進からなるコストダウン」から「現在の工場の有効利用と全国に存在する半導体の経験者、知識、装置・工場を再編した新しいDevice の創造」に早急に変化しなければならない現実を突きつけられたものと見るべきではないでしょうか。
その真に創造されるべきDevice とは SiC Device, Ⅲ-Ⅴ族Device,有機EL,3D Device、System in Package等が有り、当社がこれから進む方向もこの方向にならなければなりません。
当社は、これまで、CMP 、Etcher , PVD装置、CVD装置、洗浄装置、洗浄液関係を主な市場として参りましたが、今後は、さらにSiC Device, Ⅲ-Ⅴ族Device,有機EL,3D Device、System in Package関係の装置、半導体材料メーカー様を加え、世界のお客様に最新のテストウェハをご提供させて頂く所存でございます。
今後ともお引立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
2012年3月吉日 アドバンスマテリアルズテクノロジー株式会社 代表取締役会長 西本 豊樹